IPv4で混雑が発生する理由

IPv4で混雑が発生する理由

夜間にネット通信をする際に、なかなかサイトのアップなどが進まずにストレスを感じたことはないですか?
これは従来のインターネットプロトコルのIPv4の問題といえます。
IPv4では情報のやり取りをするにあたって、綱終端装置と呼ばれるところを経由しなければなりません。この綱終端装置はインターネット接続事業者たるプロバイダとNTTの基地局で共同管理しています。
ネットにアクセスする際には、だれもがこの装置を通過しなければなりません。
つまりデータの送受信が極端に多くなると、設備の数が間に合わなくなってしまい渋滞が起きてしまうのです。

1日の中でインターネットを頻繁に使用する時間帯は、夜7時から10時の間です。
多くの人が仕事も終わり、帰宅してネットをやる方が多くなります。
そこで綱終端装置には大量のデータがもたらされます。その結果混雑が起こり、スムーズにネット通信ができなくなるわけです。
綱終端装置の設置数に余裕があれば、このような渋滞は起こらないでしょう。しかしNTTとプロバイダの都合上設置数をなかなか増やせないのが実情です。

一方IPv6の場合、綱終端装置を経由することなくネットに接続できます。綱終端装置という混雑する原因を使用しないので、渋滞に巻き込まれることなくネットに接続できるわけです。
綱終端装置を通らずに自然にネットにつながる仕組みを採用しているため、IPv6はネイティブ方式と呼ばれることもあります。

IPv4と比較してIPv6は通信速度が速いと思っている人は少なくありません。
しかし厳密にいうとスピードが改善されたというのではなく、IPv6は混雑を回避することでユーザーがさらに快適なネット環境で利用できるように整備したといえます。
IPv6を利用すれば、夜間のネット通信が集中するときでもなかなかデータのやり取りができないといった事態も起こりにくくなります。光回線サービスでIPv6はしばしば紹介されますが、上で見たネイティブ方式のことを指していると思っていいです。